紙ラボ

紙の目と裏表の見分け方

Paper Grain&Sides

紙の目と裏表の見分け方

Paper Grain

紙の目とは
洋紙は機械で抄かれるため、繊維の方向により「目」ができるのが特徴です。
紙の「目」とは、紙を構成する繊維の向きを指します。「流れ」ともいいます。
抄紙機のワイヤーで繊維がこの「流れ」の方向に並ぶことを「繊維配列」といいます。

long & short grain

縦目と横目の決まり
縦目・横目を決める基準は繊維の流れ、つまり「目」です。
その「目」を軸にして縦目に仕上げるか横目に仕上げるかで、
縦目の紙・横目の紙ができあがります。

grain direction

紙の目の見分け方
それぞれの紙の特性を活かして、効果的に使うためには、紙の目を知ることが大切です。
ここでは紙の目の見分け方と目を活かした紙の便利な使い方をご紹介します。

紙の目を見分ける方法
縦と横に、それぞれ折り曲げてみてください。素直に折り曲げられる向きと、抵抗のある向きがあるはずです。
素直に折り曲げられる方向が紙の目の方向です。また、水に浮かしてみると紙の目と平行にカールするため、
見分けることができます。

grain importance

紙の目に関係すること
紙の目を知ることは、印刷やコピー、プリンター、製本などにおいて大変重要です。
特に薄い紙を使って印刷する場合、紙の目と平行に印刷機に通すと、印刷中に紙が切れることがあります。
そのため、印刷機には紙の目の方向に紙を通さなければなりません。
また、逆に印刷できるぎりぎりの厚さの紙を通すときには、紙の目の方向に通すと輪転機やドラムに
巻き付きにくくなるので、紙の目と平行に通した方が良い場合もあります。
そのほか、紙を丸める際にも、紙の目を知ることは有効です。

コピー機・プリンター
コピー機やレーザープリンターの場合、プリンター用紙より薄い紙を紙の目と平行に通すとドラムに絡みつき、
詰まってしまうことがあります。この場合は紙の目の方向に通すと詰まりません。また、逆に印刷と同じように
厚い紙を通す際には、紙の目の方向に通すとドラムに巻き付かなくなるので、紙の目と平行に通した方が
良いこともあります。ただし、あまり厚い紙を通すと、出口でひっかかったり、給紙できなくなることもあるので
注意が必要です。

製本
製本では紙の目に平行に綴じると本のめくりが良くなります。また、トレーシングペーパーのように薄い紙を 天糊製本する場合は、糊の水分による紙の波打ちが起きないような紙の目の方向で製本しなければなりません。

紙を丸める時
紙を丸める際は、紙の目と平行に丸めた方が丸めやすく、戻す時も戻しやすくなります。

Paper Sides 裏表の見分け方

ウォーターマーク入っている紙の場合
一般的に高級洋紙などには紙の端に
「ウォーターマーク」と呼ばれる透かしが入っています。
このような紙では、マークが正常に見える方が表になります。

ウォーターマーク入っていない紙の場合

一般的な紙の場合
抄紙機の構造上、原料が網の上に乗ってくるので、
紙の裏面にかすかに網目が残ります。
網目が見える方が裏面ということになります。
また、赤インクで文字を書いて、滲む方が裏面になります。

水彩紙の場合
水彩紙の場合は毛布目によって紙の表面の凹凸を作るので、
一般的に凹凸がしっかり見える方が表面ということになります。
作者の好みによって、意識的に裏面に作品が
描かれている場合もあります。

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