植物を原料として処理し、その構成している繊維を集めたものをパルプといいます。
ここでは紙の原料を以下のように分類しました。
    紙の原料     木材パルプ
             ラグパルプ
             リンターパルプ
             リネンパルプ
             楮・三椏・雁皮パルプ
             非木材パルプ
             古紙パルプ(再生パルプ)
針葉樹・広葉樹写真1. 木材パルプ(ウッドパルプ)
● 針葉樹(N材)
 繊維が長く強い紙が抄けます。
● 広葉樹(L材)
繊維が短く表面の平滑な紙が抄けます。
2. ラグパルプ

 綿の紡績から出る繊維(綿ボロ)を再利用しパルプにしたもので、紙の風合いが良く、特に耐久性の高い紙が抄けます。
3. リンターパルプ
 綿の実に付着する短毛(綿くず)を使用したパルプです。
4. リネンパルプ

 麻を原料にしたパルプで、繊維が長く耐久性があり、ライスペーパー、航空便箋、聖書用紙などに使用されます。
5. 楮・三椏・雁皮パルプ

 古くから和紙の原料として使用されています。
6. 近年期待されている非木材パルプ
 環境に優しい非木材紙とは、木材パルプ以外の資源から作られる紙のことです。木材パルプ繊維に比べ、強度や肌合い印刷仕上がりなどで独特な個性があり、木材パルプとはひと味違う紙質が特徴です。従来からある和紙の原料やラグ、リンター、リネンなども非木材紙ですが、ここでは近年特に期待されている原料を紹介します。
ケナフ写真● ケナフ
 アオイ科の一年草で、東南アジアや中国、アフリカ、カリブ海沿岸、米国南部などで栽培されています。靱皮部(表皮に近い部分)の繊維は針葉樹に似ており、木質部(芯に近い部分)は広葉樹に近く、靱皮部のパルプは強く風合いも良いため、ファンシーペーパー、証券用紙、包装紙などに幅広く使用されています。
※ 弊社オリジナル商品の中にもミューズケナフ(最高級水彩紙)、ケナフクロッキーがあります。
● バガス
 サトウキビから砂糖をとったカスの堅い部分を使用しています。バガスの特徴は、風合いが良く優しい手触りで、名刺や便箋、ファンシーな用途に向いています。
● 竹
 イネ科に属し、繊維は比較的短いのですが、美しく細やかな仕上がりの紙ができます。
7. 古紙パルプ(再生紙)
 既に紙になっていたものをリサイクルする「古紙パルプ」は、地球環境保護及び資源の有効利用を推進するために注目されています。近年、段ボールや板紙などの一般紙以外のファンシーペーパーの分野まで再生紙ブームが広がっています。  
※ 弊社においても「マット紙再利用にご協力を」というスローガンを掲げ、マット紙の再利用システムを促進しております。(詳しい内容については別途案内をご覧下さい)

 
洋紙の原料は、主に木材から繊維を取り出してパルプにしたものが多く、代表的なパルプとして機械パルプと化学パルプがあります。
1. 機械的方法(機械パルプ)
 丸太の皮をはぎ、そのままグラインダーでつぶしたパルプでGPとよばれ、主に新聞紙や週刊誌の本文に使われています。木材中の繊維でない部分もそのままパルプに含まれるので変質・変色しやすくなりますが、インクの吸油性、紙の不透明性、高速抄紙性などに優れています。
2. 化学的方法(化学パルプ)
 木材チップの繊維でない部分を薬液と蒸気で溶解し、繊維だけを取り出したもので、代表的なものとしてKP(硫酸塩パルプ)とSP(亜硫酸パルプ)があります。これは蒸解する薬液の違いであり、できあがったパルプの特性も違います。
・ KPの薬液はアルカリ性のため、繊維の壁をおかさず強靱です。針葉樹からのKP は、未晒しの場合特に強靱であるため、クラフト包装紙や板紙に使われます。広葉樹からのKPはできた紙もしなやかで平滑性が出るので、上質紙、筆記図画用紙などに幅広く使われます。
・ SPの薬液は酸性であり、針葉樹を使用したものが殆どで、KPと比べ繊維の強さは劣ります。できた紙は強くしなやかであるため、高級紙によく使われています。
 世界的にもKPが主流ですが、化学パルプは残しておきたいものも溶かし収率が悪いため、この他に「機械的化学的方法」という機械パルプと化学パルプの中間に位置する製法もあります。


 電気機器の部品などに使われるコンデンサーペーパーやプリント配線基盤用紙などの特殊紙以外の紙は、それぞれの用途に適したもの(薬品など)を入れています。
1. サイズ剤
 インクや絵具などの滲み止めが目的で、以前は松脂から取れるロジンサイズ(酸石灰)が長年使われてきましたが、そのサイズ剤を繊維に定着させるために硫酸バンドが使用されていました。しかし、この硫酸バンドのために紙そのものが酸性になってしまい、長期保存する間に紙を劣化させボロボロになる可能性が大きいことから、近年、紙を中性化する研究がなされ、硫酸バンドを使わずにすむ中性サイズ剤が開発されました。
2. 填料
 填料とは、クレー(白土・ろう石などの粘土)やタルク(滑石)などの総称で、最近は炭酸カルシウム(石灰石)も使われています。これを使うことにより、紙の平滑度や印刷適性などを高め、白色度を増し、裏抜けを防ぎ、紙の伸縮を減らし、柔軟性を与えます。
3. 染料
 特に印刷用紙などは染料が入っている場合が多く、単行本や学習参考書などは黄色やオレンジ系の色がつけてあり、長時間本を読んでも目が疲れないように工夫されています。また、一般に白いと思われる紙にも赤系や青系の染料が入っていることも多く、人間の視覚に白いと感じさせる場合には蛍光染料を使うこともあります。
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